普段生活している場である専有部と違って、マンションの外壁をじっくり見る機会はあまりないかもしれませんが、
マンション外壁は日常的に風雨にさらされている一方で、ここに問題があると後々、建物に影響が出てくる恐れがあります。
「建物の状態を知るなんて素人ではできない」「大きなマンションを検査するなんて、プロしかできない」と思われがちですが、
一般の方でもできる外壁チェックのポイントがあります。
今回は、そんなセルフチェックポイントとそこに見られる代表的な不具合をご紹介します。
これがあったら要注意!5つの事象
●鉄骨の露出
外壁等にこんな部分はありませんか? これは鉄筋の露出といって本来コンクリートの中に入っていて見えない鉄筋が外に出てしまっている状態です。適切に施工されていれば築20年程度でもこのような症状にはなりません・・・。
このまま放置すると、建物の耐震性に影響を及ぼす場合もありますので、見つけたら必ず写真を撮って位置を記録しておきましょう。
●バルコニーのさび汁
バルコニーを見上げてみてください。鉄筋のさび汁が出ていませんか?これを放置するとやがて最初の画像ような状態になります。
●外壁面のひび割れ
外壁面をチェックすると、このような明らかなタイルのひび割れが見つかることがあります。この状態まま放置しておくと、ここから雨水が入りいつしか、中の鉄筋が露出してしまう可能性が高いといえる症状です。
●鉄部の腐食
廊下で見つかった手すり付け根のコンクリートの中にある鉄部がさびていた例です。コンクリート部分にひび割れを起こしており、放置するとひび割れが大きくなりやがてはがれます。すると他の鉄筋まで露出してしまい、悪循環が始まってしまうというケースもありますので、気を付けてチェックしましょう。
●白華現象(エフロレッセンス)
白華現象(エフロレッセンス)とは、コンクリート内部やタイル面の裏側に雨水等が入った外に出た時に白く現れるものです。エフロレッセンスがあるということは、ひび割れがあり、その部分から雨水が入っているといえます。
不具合を発見したら記録をしよう!
鉄筋コンクリートのマンションをチェックポイントまとめると、以下のようになります。
- ひび割れ
- しみ
- 白華(エフロレッセンス)
これらがわずかにでも見つかった場合は、全体的なチェックをおすすめします。
不具合を見つけたらその状態を記録しましょう。全てのチェックの方法は「見て触って測る」です。その結果を写真にとり、状態や位置、ひび割れなら幅と長さなどを簡単にメモ撮っておくと良いでしょう。
●用意できるとよい道具
クラックスケール(ひびの幅を調べる小さなカードのような機器)、スケール(メジャー)、双眼鏡(単眼鏡)
*** マンションセルフチェックの際の注意点 ***
無理なチェックは大けがのもとです。充分な注意のもとに行ってください。屋上に関しても手すり等がない部分への立ち入りは危険なのでやめましょう。